2021年も後半戦に入って来年の海外興行はどうなるんだろうと気になっていたのもあり、アジア各国のプロモーターにヒアリングをしたのが1カ月前。台湾、韓国、香港、中国、シンガポール、タイのフェスティバルや公演を主催する現地各社にメールで聞いてみたところ、当然ながら「来年いつ再開するかわからない」という意見が大半。希望的観測としては来年秋以降という意見がちらほら。慎重派の意見としては2023年再開では、という主張。まあ、現時点で日本もこんな状況なので、いつ再開するか分からないのが現実だろうし、どの国もまずは足元の自国興行やフェスティバルをしっかり開催するよう注力しているのが事実だと思う。中国もフェスティバルは昨秋から再開しているものの、コロナ感染者が少しでも出るとたちまちロックダウンをする徹底ぶりだし、台湾も徹底した感染対策のため、陽性者が出るやいなや火消し対応が素早く効果的である。その期間はイベントや公演は自粛や縮小して行わざるを得ないのだが、それでも前に進むべくみな日々頑張っている。韓国のプロモーターで僕が弟のように可愛がっている会社の社長は、昨年からのコロナ禍で興行中止や延期が相次いだ結果、プロモーター業を一旦ストップ、全く異業種の仕事を始めている。みな生きるために必死だ。タイも情勢不安に加えて感染者増加が止まっておらず、シンガポールは国の体制が徹底しているためか、沈静化しているようにみえるが、人が集う興行やイベントに対しては相当慎重な対応にとどまっており、再開からは、ほど遠い。この1年半日本人アーティストが海外に出られずじっと日本に留まっていること自体災難だし、日本でさえまともに公演ができていない実情だ。そりゃフラストレーションは相当溜まると思う。オンラインライブは代償行為にはハッキリ言ってならない。眼前の観客との一体感があってのライブだから、それは言うまでもないだろう。
さて、それにしても来年いっぱい海外興行が実施不可能としたら、起業してからの自分の主事業に暗雲が立ち込めることになり、いまマネージェント(マネジャーとエージェントの合わせ造語)しているriroxのビジネス展開や、執筆活動を頻繁にしていかなきゃとか、思案を巡らすことになる。
まあ、当面は大学の先生に専念することになるのだろうなあ。9月末からいよいよ授業が始まり、いまだ知り得ない学生たちに対して音楽ビジネスを教えていく。教えることは学ぶこと。今回授業用の資料作成をしながらつくづくそう思った。さて、そろそろギアを上げていこうかと思う今日この頃であった。
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